![]() | 剣士は みごとに竜を退治し お姫さまを救い出しました 町中のものが 彼を英雄とたたえました 町長さんのめいれいで タフタは ひとり 小さな工房にこもって お祭りのためのお祝い菓子を せっせと焼きました |
王様は 剣士をお姫さまの結婚相手にと強く望みました けれどその胸には ずっと彼を見続けてくれていた 小さなパン屋さんの笑顔が ふかく刻まれていたのです | |
![]() | 剣士が つぎに店を訪れたとき そこにタフタの姿はありませんでした 「あの娘は辞めたよ… もしもお前さんが来たら、どうか 幸せになってくれと伝えてほしいとさ」 そして、店の主人は 竃の底に 忘れられていたというパンを 剣士に手渡しました 「あの娘はずいぶんパン作りが上手く なったんだが、どうかすると くっついたパンをこしらえちまう。 それだけは直らなかったな」 |
![]() | とおくはなれた ふるさとの村へ帰ったタフタは つてを頼って また パン屋さんで 働き始めました 右にはくるみのクリーム、左には すぐりのジャムをつめた タフタの特製パンは 幸せを呼ぶくっつきパンとして たいそう評判をよびました |
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